ダイビング器材の選び方
BCDの選び方
BCDはシリンダーを背負うため、そして水中で浮力をコントロールするために欠かせない器材です。体に合わないBCDは、潜降時や水中でのバランスを崩しやすく、中性浮力をとるうえで障害となる可能性もあります。自分の体にぴったりとフィットしたBCDを選んで、水中での活動をより安全に&快適に楽しみましょう。
BCDの各部説明
①ファーストステージ
シリンダーとレギュレーターをつなぐ部分。ここで最初にシリンダー内のガスの圧力が下げられ(減圧され)、中圧ホースを通してセカンドステージへと送り込まれます。深度や残圧に関係なくエアを安定供給する「バランスピストンタイプ」や、タンクの残圧変化による呼吸感への影響が少ない「バランスダイアフラム」などのタイプがあります。
②セカンドステージ
口でくわえるところ。ここで再度、ガスの圧力が下げられ、呼吸しやすい圧力となって出てきます。息を吸えばガスが出てきて、息を吐くときや呼吸していないときはガスが出てこない仕組みになっています。
③マウスピース
セカンドステージには口でくわえやすいようにゴムやシリコンでできたマウスピースがついています。マウスピースが切れていると、そこから水が浸入してしまうので注意。また、口の大きさに合わないマウスピースは水中でのストレスの原因となります。
レギュレーターを選ぶ際のポイント
ウエットスーツでもドライスーツでも使いたい人は・・・
水面や水中で自由な姿勢をとりやすくしたい人は・・・
水中で水平姿勢を安定させたい人は・・・
ウエイトベルトによる腰への負担を減らしたい人は・・・
女性により使いやすいBCDを求める人は・・・
ダイビング旅行にも自分のBCDを持っていきたい人は・・・
BCDを使う際のポイント
1.いざというときに素早く操作できるよう確認しておく
BCDはダイビングを安全に楽しむうえで、なくてはならない器材です。水面でしっかりと浮力を確保できるだけでなく、水中で浮力をコントロールするうえでも欠かせません。そのため、給気や排気、BCDの脱着などの操作が、どんな状況でもきちんとできるように確認しておくことが大切。例えば、急浮上しそうになったときに、素早く排気ボタンを押してBCD内部の空気を排出したり、水中で何かに絡まったときに脱着してほどいたり。ダイビングの度に同じモデルのBCDを使い続けて操作に慣れておくと、大きなトラブルを未然に防ぎやすくなります。
2.中圧ホースのつけ忘れに注意
BCDに関する失敗で最も多いのが、「インフレーターに中圧ホースをつけ忘れる」というもの。きちんと中圧ホースがつけられていないと、BCDの中に空気を入れることができません。しっかりとカチッと音がするまで、押し込んではめるようにしましょう。なお、インフレーターに中圧ホースをつける前にシリンダーのバルブを開けてしまうと、ホース内に空気の圧力がかかるため、インフレーターにつけるのが大変になります。きちんとインフレーターに中圧ホースがついているのを確認してから、シリンダーのバルブを開きましょう。
3.BCDのポケットにウエイトを入れるのはあり?
ウエイトベルトではなく、BCDのポケットにウエイトを入れる人がいますが、これはNG。一般的なBCDのポケットは、ウエイトを入れることを想定していないため、生地を傷つける可能性があります。また、いざというときにすぐに取り出すことができませんし、水中で気づかないうちにウエイトがポケットから落ちてしまうこともあるなど、安全性のうえでも問題があります。ウエイトを入れるように設計されているBCDや、ウエイトベストなどを利用することをおすすめします。
4.背負う際は無理をせず、バディと協力を
ひとりで颯爽とBCDを背負うインストラクター/ガイドやベテランダイバーの姿は格好よく見えますが、くれぐれも無理は禁物。シリンダーがついた重いBCDを無理に背負おうとすると腰を痛めたり、ストラップ部分が絡まってきちんと装着できないことも。バディと協力してお互いにBCDを装着し、ストラップが絡まっていないか、ホースをつけ忘れていないかなど、チェックし合うことがおすすめです。
BCDのお手入れポイント
使用後は排気ボタンを押しながらBCD の内部にも真水を入れて、海水を洗い流します。洗ったらしっかりと水を排出して、中に空気を入れて直射日光の当たらない場所で乾燥させましょう。中に水が残ったままだと、腐って悪臭を放つこともあるので注意。排気弁やインフレーターのボタン、中圧ホースとの接続部は特にしっかりと真水で洗うことをおすすめします。収納時は若干空気を入れておくと◎。レギュレーターと同じく、定期的にオーバーホールに出すこともお忘れなく。
協力:GD OUTDOOR(BEUCHAT、XDEEP)