海辺でドライスーツを着て談笑するダイバー
ダイビング器材の選び方

ドライスーツの選び方

 

日本は海にも四季があり、一年を通してダイビングを楽しむことができますが、その強い味方となってくれるのがドライスーツです。快適さの決め手は抜群の保温力。首と手首の部分がしっかりとシールされており、ブーツはスーツと一体になっています。またファスナーも防水ファスナーという特殊なものを使用し、インナーを着て体を濡らさないことで保温力を生み出しています。
ドライスーツ
①給気バルブ&排気バルブ
ドライスーツには、水圧によって締めつけられる(スクイズ)状態を防ぐためにスーツ内に空気を送り込む「給気バルブ」と、スーツ内の余分な空気を排出する「排気バルブ」がついています。これらでスーツ内の空気の量を調整することで、浮力をコントロールすることができます。
②補助バルブ
腕を上げるだけで溜まった空気を排気できる、手首部につける「リストバルブ」や、足から空気を排出できる「フットバルブ」など、補助バルブがつけられるスーツもあります。
③首と手首のシール
ここがピッタリしていないと、中に水がガバガバ入ってきてしまいます。サイズがピッタリのスーツを着るのが理想ですが、どうしてもゆるいときは、この上からバンドやリングをつけて調整することもできます。一方で、きつ過ぎてもうっ血などの原因になりますので、ピッタリとフィットするものをおすすめします。

 

ドライスーツを選ぶ際のポイント

クロロプレン(ネオプレン)タイプとシェルタイプの違いは?

クロロプレンタイプは、一般的に「ネオプレン」と呼ばれるウエットスーツと同じく気泡があるゴム素材を使っているため、スーツ自体に保温力があるのが特徴。少ないインナーウエアで潜ることができます。素材に伸縮性があり、体にフィットしやすいので、水中でも浮力コントロールがしやすいのも魅力。生地やデザインのバリエーションも豊富に用意されています。
一方のシェルタイプは、防水・耐水加工がされたファブリック生地を使用しており、スーツ自体の保温力はないため、水温によってインナーウエアを調節する必要があります。それに応じてウエイトの量も調整しないといけませんが、幅広い環境に適応できるため、テクニカルダイビングなどにも適しています。生地が薄く軽いため、動きやすいのも魅力です。

ドライスーツもオーダーメイドがおすすめな理由

ドライスーツは、首と手首がしっかりとシールされれば、ウエットスーツほどピッタリとフィットすることは求められませんが、それでも緩すぎたりきつすぎるスーツはNG。緩すぎると、水中での浮力コントロールが大変になりますし、きつすぎると体が圧迫されたり、着脱が大変になります。首・手首のサイズを含め、体に合ったスーツを使うことでストレスを減らすことができますので、特にクロロプレンタイプの場合は、サイズオーダーで自分の体にフィットしたスーツを作ることが可能です。

タイプ別おすすめドライスーツ

より高い保温性&耐久性を求める人は・・・


動きやすさや運動性を求める人は・・・


リーズナブルな価格でドライスーツを手に入れたい人は・・・


ドライスーツでもデザインにこだわりたい人は・・・


幅広い環境をドライスーツで楽しみたい人は・・・


スタイルにこだわる女性ダイバーは・・・

各ブランドのおすすめドライスーツ

ドライスーツを使う際のポイント

1.足に空気が溜まっての吹き上げに注意

ドライスーツは足をブーツですっぽりと覆う作りのため、水中で足が高い位置に来ると、そこに空気が溜まってしまい、水面に吹き上げられてしまう原因になります。アンクルウエイトインソールウエイトを使ったり、重量の重いドライスーツ用のフィン(下記参照)などを使うと安心。フットバルブを付けるという手もあります。深場から浅場に戻ってくるときなどは特に注意し、こまめにスーツ内の空気を抜くようにしましょう。スーツが大きすぎると中に空気が溜まりやすく、吹き上げの原因になるので、体にフィットしたスーツを使うのは必須です

アンクルウエイト

2.ドライスーツ用のフィンとの組み合わせが◎

ドライスーツ用のフィンを使えば、通常のフィンより重量があるためアンクルウエイトの必要がなく、水中での安定感が抜群。フットポケットはドライスーツのブーツに合わせて幅広になっているので、フィット感もよくスムーズに着脱ができます。通常のストラップフィンもブーツの大きさが合えば使えますが、より快適にドライスーツで楽しむなら、ドライスーツ用のフィンがおすすめです。

ドライスーツ用のフィン

3.インナーウエアについても考慮

ドライスーツは体とスーツの間にできる空気層を体温で暖め、それによって保温するため、インナーウエアと靴下が必要です。スーツのサイズは着用するインナーを考慮して決めるといいでしょう。 
クロロプレンタイプはスーツ自体に保温力があるため、薄手のインナーウエアで潜ることができますが、意外と準備中などにも汗をかきます。汗で濡れたままだと身体に密着してしまうコットン素材は身体を冷やしてしまうため、汗をかいても乾きやすい化繊素材がおすすめ。ただし「吸汗して発熱」するインナーはかえって汗が重なり、結果として冷えを招くことも。インナーウエアには透湿機能や蓄熱機能、保温性が高いことが求められますが、ドライスーツ専用インナーは、これらを考慮して暖かくして冷えを防ぐように開発されており、おすすめです。 
一方、シェルタイプはスーツ自体に保温力がないため、水温の高いところでは薄手のインナーウエアでもOKですが、水温の低い海ではしっかりとインナーウエアを着こむ必要があります。ですので、中綿素材など保温力の高い専用のインナーウエアを使用することをおすすめします。

インナーウエア

4.ウエイトを分散させて腰への負担を減らす

ウエットスーツに比べて必要なウエイトの量が多くなってしまうドライスーツ。すべてのウエイトを腰につけると負荷が一カ所に集中し、腰を痛める原因にもなります。アンクルウエイトを使ったり、サイドポケットやシリンダーベルトのポケットにウエイトを入れられるタイプのBCや、ウエイトベストを使うなどしてウエイトを分散させると、より楽に潜ることができるうえ水中での姿勢が安定しやすいというメリットもあります。

ウエイトベスト

5.ファスナーをしっかりと閉めること

ドライスーツのよくある失敗が、ファスナーがしっかりと閉まっていないというもの。完全に閉まっていないと、隙間からスーツの中に水が入ってしまい「水没」の原因となります。背中にファスナーがあるタイプの場合、バディなどに閉めてもらったら、必ず最後は自分で2~3回ファスナーのストラップを引っ張って確認しましょう。

6.着脱の際はシール部分に爪を立てないよう慎重に

特に爪の長い女性が気をつけたいのが、首や手首のシール部に傷をつけないこと。着脱の際に爪を立てて引っ張ったりしてしまうと、柔らかいゴム素材でできているシール部に亀裂が入ってしまう危険性が。スーツ内の浸水の原因にもなりますので、丁寧に扱うことを心がけましょう。

ドライスーツのお手入れポイント

ダイビング後にスーツを洗う際は、スーツの表面、特にバルブやファスナー部を真水で念入りに洗うこと。干すときは裏返してしっかりと中も乾燥させてカビや悪臭を防ぎます。また、スーツを長持ちさせるには定期的なメンテナンスは必須。水没検査やバルブのオーバーホールを行なうことで、長く快適に使うことができます。ドライスーツ購入の時には、メーカーのメンテナンスサポートにも注目しましょう。

協力:(株)ワールドダイブ